プロジェクトZ
WORK
日本の英語教育に革命を。
- 社内新規事業立ち上げヒストリー
Zenkenの語学事業部門であるリンゲージ事業本部。2013年から企業向けオンライン英会話サービスの提供を開始し、以来、多くの企業で業務研修、自己啓発プログラムの一環として同サービスを採用いただいてます。
そして2015年からは、日本の中学・高等学校様向けに「学校向けのオンライン英会話サービス」の提供を開始。この新規事業を立ち上げたのは、語学部門で営業として働く一人の社員でした。まだ学校でのオンライン授業が当たり前ではなかった当時。どのような想いや経緯、困難や葛藤があったのでしょうか。
当事業を立ち上げ、現在も現場の最前線で事業推進に取り組むSマネージャーに、事業立ち上げの裏話を語ってもらいました。※この記事は2022年1月26日現在の情報をもとに執筆しました。
- オンライン英会話を
“授業に組み込む”
画期的サービス。 - 「私たちが提供しているのは、日本の中学・高等学校向けのオンライン英会話サービス。首都圏を中心とした全国の中学・高等学校に、私たちが提供するオンライン英会話サービスを“授業の中で導入・運用”していただくというものです。
授業に導入いただくことで、生徒1名あたり約30分ほどの発話時間を確保することが可能になりますし、当社の講師が生徒1人ずつにマンツーマンでついて授業の進行と英会話レッスンを行いますので、より有益な発話練習につながります。
多くの学校では1クラスあたり3~40名の生徒が在籍していますが、先生一人が全員を教える英会話授業と比較して、生徒1人あたりの発話時間の量と質が断然違ってくるのが特徴です。授業に組み込むことで“半強制的”な習慣にもなるので、必然的に生徒の発話機会を創れることもメリットですね」
- 教育畑一筋だったZenken入社前。
- 「私は秋田大学で国際言語文化を学び、卒業後は地元の大手学習塾に就職。大学入試指導業務をメインに、生徒と校舎のマネジメントを担当しました。メインの指導科目は英語。センター試験、国立大各校の二次試験対策も指導範囲でした。次に入社した広告代理店では、一都三県内の学校への訪問営業を経験。このとき、今も懇意にさせていただいている学校の先生方と出会うことができました。さらにその後、個人事業主として高校をメインとした進路指導部門のセミナー講師を行っていたこともあります。各地で年間100本ほど講演を行っていたのですが、このときに全国の学校の教職員の方々とたくさんのご縁をいただくことができました。
こんな形で、私はこれまでずっと教育業界を歩いてきたんですね。だからZenkenではじめて、語学業界に足を踏み入れたんです」
- 新規事業立ち上げに迷っていた
私の背中を押した一言。 - 「リンゲージの採用面接を受けたとき、オンライン英会話サービスを扱っていると聞いて。学校の営業をしたり教育畑にいた私は、瞬間的に『学校の授業に導入したら面白そうだな』と思いました。なので『例えばそういう展開って今後予定ありますか?』と聞いてみたら、『今はまだないけど、面白そうだね』と言われて。きっとこの会社なら、やってやれなくはないんだろうな、と思い、入社を決意。
だけど入社後しばらくは、先輩方と一緒に法人営業を担当していました。“学校の授業にオンライン英会話サービスを導入する”っていう構想はずっと心の真ん中にあったんですけど、転職したばかりだし、全然着手したことのない事業で、正直迷いもあったんです。
でもある日の会社終わり、親しい先生たちと食事しているときに『実はこんなサービスを実現させてみたくて』という話をしたところ、その中の1校の先生が『すごく面白いね!うちでぜひ導入したい』と言ってくださって。
それを機に、水面下で黙々と事業立ち上げの準備を始めました。毎夜のように学校の先生方と話し合って、教育現場の意見を聞いて」
- 上司を説得するために、
クライアントを同行! - 「2014年頃かな。『どうもこれから入試英語が4技能化、スピーキングとかライティングとか入ってくるらしいよ』って、当時はまだまことしやかに囁かれているレベルでした。でもそれが確定してから動き出すんじゃ遅い。
だから、『導入したい』って言ってくださった先生に協力していただきました。具体的には、先生が勤めていらっしゃる学校に上司と私とで赴き、学校教育の現場でスピーキングがどれだけ枯渇しているかや、今後入試英語が4技能化されていくことを現場がどんなに重く受け止めているかなど、学校教育の現状を“クライアント”の立場で説明していただいて。新規事業立ち上げのための上司の説得を一緒にやってもらったんです(笑)
上司にも、企業法人だけでなく学校法人へも市場を拡大していきたい、という思いはありましたし、語学教育市場がどんどん多様化して行っている中での提案だったので『よし、じゃあやってみよう』と決断してもらいました。
ちなみにそのとき一緒に上司を説得してくれた先生の学校は、当事業の記念すべき第一号のお客様になってくださって、今でも取引が続いているんですよ」
一番大きかった壁は、
「自分の心の中の葛藤」
でした。
- ゼロからイチを創る作業の連続。
生みの苦しみを
これでもかと味わった。 - 「念願の事業立ち上げ!と言っても、やっとここからが本番。
当時のリンゲージには、企業研修・ビジネス英会話のノウハウはたくさんあったんですけど、学校向けのノウハウはありませんでした。学校の授業にオンライン英会話サービスを提供するってなると、一クラス40人いるとしたら、40人が一斉にオンライン接続して、1対1を40組、同時にスピーキングのレッスンをする、ってことなので、まずはそれを運用管理するシステムがない。中・高校生向けの教材もない。中・高校生を教えている講師もいない。もうね、ないものしかなかった(笑)。だから全部ゼロから作っていきました。
日中は営業に出かけて、会社に帰ったらシステム部と運用システム構築の打ち合わせをして、夜は教材開発部に依頼するために、60レッスン分の教材のラフを書いたり、コース設計を作成したり。試作が完成したら現場の先生たちにもアドバイスを貰いに行って。それはもう寝る間を惜しんで取り組みました。
新規事業って、ゼロをイチにする作業の連続。生みの苦しみがいろんな方面にあって大変でした。ましてやそれを作っているとき、それが本当に売れるのかもわからない。でもプロダクトは作らないと前に進めない。作らないと買ってもらえないから。
常に『絶対この道でいける、大丈夫!勝てる!』っていう強い気持ちと『本当に勝てるんだろうか……』っていう不安とが、半々で。だから、黙々と作り続けることよりも、自分の中の葛藤に打ち勝つことのほうが、もしかするとあの頃一番大変だったことかもしれませんね」
- まだまだこの事業は伸びていく、
伸ばしていける。 - 「私が恵まれていたのは、協力してくれる先生たちがたくさんいたこと。その先生たちから声をもらって形作って、それを第一号校で実践させてもらって、こういうところが足りない、こういうところが必要だ、こういうところにお金がかかる……って、とにかくPDCAを回し続けました。そうやってサービスを改良し、お客様を増やして、チームメンバーも増えていって。手探りで一歩一歩、この事業を育ててこられました。
今、ようやく事業も軌道に乗ってきて、チームも8名に。少数精鋭なので、一人ひとりの担う領域が広くて苦労させてしまっていますけど、信じてついてきてほしいと思ってます。
近年は新型コロナウイルス感染症の影響で学校が相次いで休校になり、苦戦を強いられました。でもその一方で、これまで首都圏や大都市の学校に注力してきたのが、オンライン商談が当たり前になったことで、地方の学校にもアプローチできるようになった。これはエリアを拡大していくチャンスだ!って、チームも皆意気込んでます。
この事業、まだまだ伸びていくと確信していますし、伸ばせると信じていますし、伸ばし切れていないという反省もあるので、これからも全力で走り続けていきたいですね」
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